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完成済在庫物件のレポートはいよいよ最終回。このコンテンツでは完成済在庫物件を「一度販売にかけた(発売した)物件で、売れ残りが出た完成済みの物件」として定義しましたが、今回は今までのまとめとして、ポイントをかいつまんで総括することにします。
2007年夏のサブプライムローン問題に端を発した金融の混乱や改正建築基準法による建築確認の遅れ、さらには販売価格の高騰などによってマンション市況は一変しました。足元の完成済在庫物件も首都圏では2008年4月以降、継続販売在庫に対して5割を上回ったままで、近畿圏も4割台が常態化しています。こうした完成済在庫物件の増加は市況の悪化を表す象徴的な事象ともいわれていますが、マンションの購入を検討しているユーザーにとってはそう暗い話ばかりではありません。マンション用地は市況の悪化などを受けて下落傾向にありますが、建築費はまだまだ高原状態にあり、今と同じようなスペックの物件を同じような価格で今後供給できる保証がないからです。また、完成済在庫物件の増加は購入の選択肢を広げることにも繋がります。完成済在庫物件の最大の魅力は入居後の生活シーンを実感できることですが、次項ではユーザーの立場からみた完成済在庫物件のメリット、デメリットを簡単に列記することにします。
先に述べたように、完成済在庫物件の最大のメリットは「実物を体感できること」ですが、この他のメリットとしては、完成済みゆえ、
などが挙げられます。
また、デメリットとしては、
などです。
さらに、メリットとして、価格改定による一定の値下げや家具などの無料サービスなどが期待できるほか、デメリットでは、完成済在庫物件ゆえに「売れ残り物件」を買うイメージが強く残ることがあります。
ところで、日本経済は大雑把に分けて4回の不況期を経験しています。1973年の第一次オイルショック、1983年の円高不況、1991年のバブル崩壊、そして山一證券・拓銀が破綻した1997年の金融不況です。過去のマンション市況との関係をみますと、こうした景気循環の大きな波がマンションの売れ行きに大きな影響を与えていることが分かります。いずれの時期にも共通していることは、マンションや一戸建て住宅の売れ行きが悪くなる前に、必ず不動産価格が値上がりして、値上がり幅の大きいところほど値下がりの波も大きかったこと―などです。
今回のマンション不況は全治3年といわれていますが、景気循環という経済原則に照らしてみると、いつまでも在庫が膨らんだままで、モノの値段が下がり続けるということはありません。モノが余っている状態はすぐには解消されないにしても、完成済在庫物件も経済原則にのっとりいずれは調整されてくるに違いありません。
2009年の分譲マンション市場は供給の減少傾向が継続される見通しとなっています。おそらく全国の供給戸数は10万戸割れとなるのではないでしょうか。デベロッパー各社が在庫物件の販売活動を優先させることと、新規に売り出す物件を絞り込むことによって採算の悪化を避ける狙いがあるためです。こうした中で、完成済在庫物件についても思い切った価格改定による値下げや特典サービス競争など、新たな動きが出てくるかも知れません。
ここまで「完成済在庫物件」についてレポートしてきましたが、市場の実態とともに、「完成済在庫物件」にもデメリットだけでなくメリットも沢山あることがお分りいただけたことでしょう。
最後に、足元のマンション市況は厳しい状態にあることは確かです。購入者のマインドも先行きの不安やマスメディアなどが発信する負のアナウンスによって、必要以上に慎重になっているきらいがあります。これから完成済在庫物件の購入を検討されるユーザーは、目先の情報に惑わされることなく、しっかりと完成済在庫物件についての知識を身につけておくことが求められます。入居後の満足度をより高め、マンションライフを快適に過ごすために・・・。
